アムロ・レイとララァ・スン
機動戦士ガンダムにおける最大のイベント、ニュータイプの開合、アムロとララァの出会いについて。
2人のニュータイプは戦場で再会した。
サイコミュは脳波によって、物体をリモートコントロールし、ミノフスキー粒子散布下の環境において長距離の無線誘導ができるという優れもの。
このサイコミュは物語の登場時には開発されたばかりで、どのような影響が人間に起こるかという点について未確認の要素が多かった。
ここに、発達したニュータイプ能力も持つアムロとララァが出会った時、サイコミュを介して2人の脳波が完全に同期した。
アムロとララァはお互いの意識が重なり合い、お互いを誰よりも理解してしまった。
本編映像には2人の顔が重なるシーンが差し込まれる。
孤独なアムロにとっては最大の理解者であるが、ララァにとっては違う。
依存対象であったシャアに絶対の信頼と恋慕を寄せていたが、シャアとの関係はそこまでの常識的な範囲。
だが、アムロという最大の理解者を得てしまったララァは恩義も愛してもいるシャアより大切な人間ができてしまった。
それが、「なぜ、今になって現れたの?!」という台詞に込められている。
シャアとセイラを巻き込んで激しくぶつかりあう4人だが、ここで破局が訪れる。
ここにいたって、サイコミュによって意識がつながっていたアムロとララァはその刹那、アムロの脳内にララァの意識が焼きついてしまった。
「取り返しのつかないことを してしまった」と嘆くアムロだが、アムロの脳内には常にララァの意識が存在することになった。
だからア・バオア・クーの脱出のときも、逆襲のシャアのときも、アムロの意識内にララァは存在し、語りかけてくるようになったのだ。