すごい科学で守りま・・せん。

思いつき考察しりーず

「戦闘メカ・ザブングル
この作品に登場するロボット「ウォーカーマシン(WM)」についての考察。

「ウォーカーマシン」(以下WM)はこの作品世界の人類にとって生活必需品。
鉱山で採掘する作業をはじめ、移動キャンプ等の居住、武装をしての自衛用など用途は多岐にわたる。
作中、このマシンの動力源は「ガソリン」と明言されている。「○○気筒○○エンジン」などの表現で
性能を表したりする。
しかもほとんどは丸ハンドルか重機のレバー操作で動かす機械だ。
そんな操縦で手足のあるロボットが動かせるし、ガソリンエンジンなのにどう見てもロケット噴射などで
ジャンプしたりしている。
「まんがだから」の一言で終わらすのは簡単だけどその点を考証してみた。

まずこの作品の世界観のキモは「はるか遠い未来の荒廃した地球」が舞台という点。
冒頭のナレーションで「惑星ゾラと呼ばれている地球」とある。
作品内で説明されるのだが、支配層の「イノセント」と呼ばれる人類にのみ超科学文明が継承されていて、
主人公たち「シビリアン」はその文明の産物を「供与・売却」されているだけと言う設定。
また、継承されているといってもイノセントにもすでに新たに技術を構築するすべはほとんどなく、
知識の点においてのみシビリアンに勝っている。

そんなイノセントより渡されているのが「WM」なわけだ。
この機械は大きさ、性能から千差万別。
簡単な土木工事にしか使えないものもあれば、主人公機のような人間そっくりな手を持って
自在に運用できる高性能機もある。物語後半にもなれば純粋に戦闘機械としての物も登場する。

そんなWMが「ガソリン」だけでヒーローロボットのような動きができるだろうか?
逆に、できるためにはどんなシステムが必要か。

まず、ガソリンエンジンで動く、とあるが この機構で動いているは「発電機」だけだと考える。
WMにはブラックボックスである「コンピュータコア」なるものが劇中に何度か出てくる。
代替が利かないし、シビリアンには整備も製造もできないので壊れたWMから回収したりして
高価に取引されているようだ。
ガソリンエンジンで動いているのは発電機、だとしてその電力で何を動かしているかと言うと
このコンピュータコアと思われる。

機体全体の駆動はネタをガンダムから引用するが「Iフィールド駆動」と推測する。
何しろ、劇中ではWMが破損したりしたとして具体的な修理シーンが無かった。
整備長のコトセットですら船の動力伝達システムを調整しているだけなのだ。
主人公機ザブングルも物語中盤で大破し、動かなくなると捨てられている。
原形がなくなるほどでは無いにもかかわらず。
シビリアンにできることは破損した部分を別の物と交換するくらいだろう。

そして、ザブングル等の高性能機のマニピュレーター。
人間と変わらぬ動きをする「手」を持つWM。
こんなものをハンドルやレバー操作でどうやって動かすのか。

これはやはりガンダムから引用するが、脳波コントロールサイコミュ」を搭載しているからだろう。
この世界では有能な「WM乗り」というスキルが存在する。
土木機械の延長のようなWMを「自在」に操縦する技術を持つものをそう呼ぶ。
現代でもショベルカー等の重機に繊細な動きをさせる達人がいるが、そんな人たちでも
ショベルカーの先に五本指のマニピュレータが付いていたとして、レバー操作だけで自在に動かせと言われても
ムリだろう。
しかし、この作品の中ではハンドル操作で「指」まで動かして操縦している。
どんな動かし方をしようとハンドルの回転のみで動かすのは不可能だろう。
よって、想定されるシステムが「サイコミュ」。
これによって、その「才能」がある人物はどんなWMも自在に操れるというわけだ。
機体全体がIフィールド駆動であればスラスターを噴射したり、操縦者の思うままに動かすのもサイコミュ
可能なのだと考えられる。余計な駆動部分も無いから変形もできる。

余談だが、イノセントの供与する機械はあるていどのデチューンをされていると見受けられる。
代表例がアイアンギアーだ。
劇中三隻のバリエーションが登場するが、初代アイアンギアーは変形も一苦労、安定したパワーを出すために
整備のコトセットが四苦八苦している。
しかし、対抗してカラスカラスが手に入れたアイアンギアー2番艦・グレタ・ガリーはその高性能で
アイアンギアーを圧倒。初代はグレタ・ガリーの変形をジャマする作戦でかろうじて勝ったが航行不能に陥った。
そうして奪取したグレタ・ガリーは新生アイアンギアーとなった。