オーバーロード・魂の在り処

オーバーロードなかなか面白い。
この作品世界の成り立ちについてつぶやきたいと思う。

舞台は体感型MMORPGのゲームの世界から、自らのギルドの拠点ごと異世界へ転移してしまったもの。
ただのNPCが意思を持ち、動き始める。

この「転移」について思いついたことを書く。
主人公モモンガのギルド、アインズ・ウール・ゴウンは巨大な墳墓で配置したモンスター等の異形種によって
悪のロールプレイ拠点として作られている。
異世界に転移した時点でそのプログラムでしかなかったNPCが動き始めた、と言う設定。

この現象について、作品内でもNPCは製作者の魂を受け継いでいる様子が描写されている。
また、異世界においては過去にも同じようにゲームのプレイヤーが転移した結果が歴史に残っている。
このNPCに製作者の魂が受け継がれている点について、何よりもプレイヤー自身が転移したモモンガなどの
存在はいったいどういうものなのか。
モモンガ自身は元の世界に戻れるかについて思案するが、あまり実利が無いため早々にあきらめている。
元の世界の肉体はどうなっているのかも疑問点となる。

この現象については、法則があると見た。
条件としては「サーバーダウン時」にログインしたままでいること。
過去にも存在したと見られるプレイヤー。
このプレイヤーがかつて転移した存在だとして、元の現実世界ではどうだったのか。
たとえば魂を抜かれるなどして死んでいる?
だとすればかなりの人数が過去に死亡して事件として扱われているか、うわさになっていないとおかしい。
しかし、そういった事例がなかったと仮定すると、モモンガなどのプレイヤーは
その魂が異世界アバターごと「コピー」されているとみる。

物語冒頭で、サーバーダウンのその瞬間までログインしたままだったモモンガ。
おそらく現実世界では本人「鈴木悟」は死ぬことなく、終わってしまったサービスを懐かしみながら生きているのではないか。
この説を裏付けるのが「アルベド」の存在だ。
サービス終了間際、モモンガの手によって設定を「変えられた」NPC
本来であれば製作者タブラ=スマラグディナの設定以外に、その魂のコピーが行われるはずだったアルベド
だが、最も新しい記録としてモモンガが直接設定を変えるという反則がおこる。

このとき、モモンガ(鈴木悟)の裏の感情も受け継いだと見られる。
だからこそ、本心の裏側にある、自分を捨てた40人に対する怨みの念がアルベドに宿っているのだろう。